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うつ病を発症しそれを克服するまでを描いた漫画「僕が僕であるためのパラダイムシフト」をチセ図書館に蔵書しました。

お昼の憩いの場となっているチセ図書館に新たにマンガが一冊追加されました。

僕が僕であるためのパラダイムシフト撮影写真

著:EMI

僕が僕であるためのパラダイムシフト紹介



本書【僕が僕であるためのパラダイムシフト】は著者であるEMIさんの体験を元にフィクションとして作られたマンガであり、主人公の幼少期からどのような経緯でうつ病を発症し、克服するまでに至ったのかが描かれております。

うつ病の倦怠感、不眠に頭痛、どんな苦しみを抱えてきてどのような生活を送ってきたのか、その時の心境までもが細かく描写されていて、もしかしたら共感性の高い方などは気分が悪くなることもあるかもしれません。

しかし、ここまで要素を並べていくと"よくあるうつ病マンガ"に思えるかもしれませんが、主人公が自分で知識を調べてうつ病をなんとかよくしていこうと前向きに挑戦していくところに僕は惹かれました。

もちろんそれどころではない時期も主人公にはあるのですが、その過程で認知行動療法やアドラー心理学など様々な心理学の知識に触れていくことになります。

そして、このマンガのキーパーソンとなる、カウンセラーのマエダ先生と出会いセッションを受ける事になるのですが――

この時の会話の内容が青天の霹靂といいましょうか、目から鱗となるような言葉が多く「鬱が起こる理由は不安」そして「不安が起こる理由は自己虐待」とマエダ先生は語ります。


自己虐待について



他人に「オマエはダメな奴だな」と言葉を投げかけるのははばかられるのに「僕(私)はダメな奴だ」と自分には平気で言いますよね。

もしかしたらそれは、己を奮い立たせるために心の中で言い聞かせているだけなのかもしれませんが、習慣的にそう思い続けていると当然自己肯定感も低くなるし、不安へとつながる。
マンガの帯にもある「本心を虐待しているよ気づいて!」というキャッチコピーの意味が、染み入るようにストンと僕の心へと入っていきました。

自分で自分にしょっちゅうマイナス評価をくだし続けていたら気分も落ち込んできます。
会社の上司にずっと怒鳴られ続けたら落ち込むし、それが執拗であればあるほど精神的にやられていく。
退職したり物理的な距離を置けば上司から逃がれる事はできますが、もし同じようなことをしてくるのが自分自身であればそんなこともできません。

自分というパワハラ上司からは決して逃げられない。

僕自身も「やらなきゃ!」とするべきはずの勉強や作業を放置してYouTubeなどをダラダラと見ている時は「こんなんじゃダメだ、何を時間を無駄にしているんだ」と、自己嫌悪に陥ることもあります。

ですが人間はやるべきことをやるだけのマシーンではないので、どうしても「今これをしたい」という気持ちが浮かんでくるものじゃありませんか。

「インナーチャイルドという言葉もあるけど、僕は心は子供ですらないと思っている」とは作中の言葉で、お腹が減ったらごはんを食べたいし眠気があれば横になりたいし、ゲームをしたければゲームをしないと気が済まないし、心はもっと原始的なモノであるとこの本を読んで思いました。

この本を読んで就労継続支援の仕事にどう活かしていくか



就労継続支援B型事業所ミライク・チセではアクセサリー制作・イラスト制作・WEB制作・illustrator+PhotoShopの学習など幅広く支援を行っておりますが、メインとなる業務はやはり利用者さんと向き合い、チセが利用者さんの居場所となるよう交流することです。


就労を行えるよう継続して支援を試みていくのが我々のミッションである以上、技術的な指導もまた大切ですが、ここに通う事が苦痛になってしまうとそれは果たせません。


気持ちよく作業に取り組み、チセでの時間を楽しんでいただくには利用者さんとのコミュニケーションも欠かせないものです。

だからこそ、利用者さんの気持ちをちょっとでも知るためにも、もしくは自分の悩みを楽にする考え方の一つを知るためにも、この一冊はその一助になるかもしれません。

一番大切なことは「これは良い」「これは悪い」と評価することではなく「こんな考え方の人もいるんだな」と知ることで、自分の世界を広げることです。
マンガであろうと小説であろうと自己啓発本であっても、読書は著者の世界観を深くじっくりと知る事のできるとっても有益な趣味ですよ。

これからもチセ図書館にどんどん本が増えていくことを楽しみにしています!!

今回ご紹介させていただいた【僕が僕であるためのパラダイムシフト】は、著者のEMIさんのアメブロでも読めますので、ちょっとでも気になったらぜひ読んでみてください。

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就労支援B型「ミライクチセ」ではいつでも見学・体験を受け付けております。まずはあなたの目で実際に確かめに来てください!スタッフ一同心よりお待ちしております!

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