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絵は上手に描く必要がない

どーも!イラスト講師の石川です。

ちょっと衝撃的な身も蓋もないタイトルですがまぁ聞いてください。

はじめに、技術の身につけ方を説明します。最後に上手に描くだけが絵じゃないぜ!という話になります。
③まで読んでね

①絵をうまくなるのはデッサンは必要ですか?

これはあるあるな質問です。答えは
人によります。

模写などがスラスラできる人はそんなに必要ではないと思います。そういう人は2次元(平面)に描かれてるものを見るだけで構造を立体的に理解できてるからです。

模写をしようとしても、見本の通りにならない。たくさん時間がかかるという人は
見る力が足りていないからです。デッサンや模写が見本通りに行かない方は、被写体をあまり、いやほとんんど見ていません。自分の手元と自分の描いてる絵を見る時間がかなり長いです。
そして見本をちらっと見てまた自分の手元を見ています。

デッサンとは物を観察し構造を理解する一番理にかなった方法です。実物を見て描く。いろいろな角度から見れますし、近づいて解像度を上げてみることも、離れてぼんやりシルエットで見ることもできます。
上から見たり、下から見たり、なんなら触って質感や温度、重さも確かめることもできます。

そうしてこねくり回して描くことで構造を理解することで、すらすら描くことができるようになります。被写体をよーく観察し構造を理解する能力が身に着くことで模写する能力は格段に上がります。
 

②模写すると個性がなくなるので自分流で描きたいですが大丈夫ですか?
答えは
大丈夫ではないです

上手なイラストとは、先人が物体をイラストに記号化したセンスの塊の集大成です。
これを真似しないで自分流で描くということは、ギター初心者が楽譜を見ないでギターを弾くようなものです。コードもわからずチューニングもせずに「ジャラ~ン」とギターをかき鳴らして、「なんかいい音が出た気がする」と言ってるようなもの。弾いてる人がジャイアンのごとく気持ちよくても聞いてるのび太とスネ夫はたまったものじゃありません。

模写の第一歩は模写するイラストレーター、描きたい絵柄を決めます(音楽でいえば演歌?ロック?ヒップホップ?などジャンルを決める)

はじめは首から上など、描きやすくて描いていて楽しい部分から描き始めると思います。
そしてだんだん体の部位や、服のしわや、人物以外のものなど描いていきます。
その中で自分が苦手だなーと思うものが見つかりますので、それを描けるようになるまで繰り返し描く。これが絵の練習の基本となります。

見本を描けるようになるまで繰り返し描く。これだけです。
絵とは見たものを脳で処理して指先のペンの動きを紙に落とし動かすことで表現するという運動です。
たくさんいい絵を見ることは大事ですが、たくさん描かないとうまくなりません。

水泳選手になりたい人がたくさん泳いでる人を見て、泳ぎ方の本を100冊読んでも泳げないですよね?
実際に水につかって、手足を動かしたり、ビートばんつかったり、実践を繰り返すことで水の抵抗や浮力などを体で覚えて徐々に泳げるようになります。

絵も同じです。

見たものを脳で知覚し、それを手→ペンに伝え紙の上で動かすことでイメージ通り表現する運動なのです。練習することで脳のイメージと手がスムーズの連結する能力が身に着いた人が絵がうまい人となります。


③理屈はいらない!上手とか下手とかそういうの関係なく絵を描きたいのですがダメですか?

答えは
いいですよ

ぶっちゃけ絵なんて上手になる必要なんてどこにもありません。仕事にしようとしていない限り。
幼少期は心のままに楽しく絵を描いて大満足していたはずです。

しかし学校で絵を描くことで、上手な人だけが評価される。ここで下手な絵は価値がないような感覚を覚えてしまいそうになりますが、評価は気にしなくていいです。

絵とは発散です。心のままに描くことで何かを吐き出したような爽快感があります。
確実になんらかの心のデトックス作用があるので描くのが気持ちいのなら気が済むまで描くのは精神衛生上大変良いことです。


上手に描くのは技術であり根気よく積み重ねて比較分析するなどの才能が必要です。
できる人とできない人がいます。

上手な絵が価値があり、下手な絵は価値がないのかと言えばそうとはいえないのです。

目的によると思います。

描いていて本人が楽しいのならその人にとって価値がありますし、自分の友人にプレゼントするなら、あなたが友人に喜んでもらおうと心を込めて描くだけでその絵は価値があります。
絵とは人の心を映し出すものですから、心の綺麗さや表現したいことへの思いの質が重要になってきます。
上手でもつまらない絵があったり、下手でも人惹き付ける絵があるのはそのためです。

絵の技術とはその思いを伝える精度の高さを上げる手段の一つでしかありません。

もちろん高い技術とはそれだけで人の心をつかむことができますが、
目的もなくただ何となく描いたた上手な絵より、
下手でも、目的を持って相手に伝えよう、相手を喜ばせようと思いを込めて描いた絵は、きっと届けた相手にとって価値のあるものになります。

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