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世界唯一!「ばんえい競馬」の歴史と文化について語ります!
世界唯一の「ばんえい競馬」の魅力!
古くから農耕馬として使われていた重種馬が、騎手と重りをのせた鉄製のそりを曳き、2か所の障害(台形状の山)を含む直線200mのセパレートコースで、パワーとスピード、騎手のテクニックを争う競馬です。 2018年現在、馬券が発売される公営競技としては、帯広市が帯広競馬場で開催する「ばんえい十勝」しかありません。 また、馬券の発売を行わない「草ばんば」も道内各地で広く行われており、それらを含めた「北海道の馬文化」は、「北海道遺産」にも選定されています。 現在は帯広競馬場でしか行われていないばんえい競馬ですが、2006年までは岩見沢・旭川・北見でもばんえい競馬が開催されていました。しかし、累積赤字の増大による経営不振から帯広市以外の3市は撤退、帯広市も当初は撤退の意向でしたが、競馬ファンや関係者らによる存続運動に加え、支援を表明する企業も現れたことから方針を一転、帯広市による単独開催へ向けて舵を切りました。こうして2007年度から、帯広単独開催による「ばんえい十勝」がスタートしたのです。 【歴史】 ばんえい競馬の起源は木材を運び出していた馬の力比べとされており、北海道開拓期より各地で余興や催事として行われていました。当初は2頭の馬に丸太を結びつけ、互いに引っ張りあっていたといいます。 明治時代末期頃から荷物を載せたそりを曳かせる現行の競走方式が登場したとされており、確認できる最古の競走は1915年(大正4年)9月16日に函館区外で十郡畜産共進会の余興として行われた「挽馬実力競争(ばんばじつりょくきょうそう)」とされています。 第2次世界大戦後の1946年(昭和21年)に制定された地方競馬法により、ばんえい競馬は馬券を発売できる公営競技として初めて認められました。この背景には戦争で徴用された軍馬が戻ってこなかったことで農村部において馬不足が深刻になっていたことと当時の食糧事情もあり、馬の増産が急務とされたことと言われています。 1947年(昭和22年)には北海道馬匹組合連合会(馬連)によるばんえい競走が旭川競馬場において実施され、公式競技として初のばんえい競走が行われました。 その後、1948年(昭和23年)に制定された(新)競馬法により、地方競馬の開催権は都道府県、または競馬場が所在する市区町村に限られ、1949年(昭和24年)には北海道の主催によるばんえい競馬が行われるようになりました。当時は平地競走とばんえい競走を混成した番組編成でした。1953年(昭和28年)には岩見沢市・旭川市・北見氏・帯広市による「市営競馬」が発足します。市営も当初は平地とばんえいを併催していましたが、のちに道営は平地競走のみ、市営はばんえい競走のみを開催する形態になり、現在に至っています。 【ばんえい競走の基礎知識】 ここでは、馬券を発売している「ばんえい競馬」について書きます。 ばんえい競馬の競走馬は、2歳からデビューします。デビュー前の2歳馬やデビュー後も成績が不振な馬には「能力検査」が義務付けられ、これに合格しないとレースには出られません。とくに2歳馬の能力検査は不合格になると食肉用に転用されてしまうため、馬にとっても命がけですし、馬主さんや生産者の声援も熱を帯びたものとなります。 レースは直線200mのセパレートコースで争われ、フルゲートは10頭です。途中2つの障害(②・④)を超えます。ゴールインはそりの最後端で判定(⑥)され、鼻先で勝敗を決定するサラブレッドの競馬とは異なります。スターティングゲート(①)は設置されていますが、真のスタートラインはゲート後方、そりの最後端位置となります。第1障害(②)と第2障害(④)の間では(③)、騎手が馬を止めてスタミナを温存させながら進めます。⑤のエリアは冬季間を除き、緩やかな上り勾配をつけた「砂障害」となります。冬季はヒーティング設備を稼働させるため、砂障害は撤去されます。 馬が曳く重量(ばんえい重量)の最低重量は480kg、最高重量はなんと1000kgです。それだけに、馬体重もサラブレッドの約2倍あります。 騎手の重量は一律に定められており、重量が足りない場合は鉛の重りを入れた箱(弁当箱)で調整します。騎手の重量は上記のばんえい重量に含まれないため、騎手重量+ばんえい重量となります。 また、ばんえい競馬には騎手を養成するための専門機関がないため、騎手の育成は各厩舎で行い、騎手試験はばんえい競馬が独自に実施します。合格者には、統括団体である地方競馬全国協会より騎手免許が与えられます。 【見どころ】 ばんえい競馬の最大の見どころは、レース中盤~後半にかかる「第2障害」です。ここをどのように越えるかによって勝敗が大きく左右されるため、騎手にとっても最大の腕の見せ所です。 第2障害を越えた後は騎手が意図的に馬を止めることができないため、いかに前に進めるかが勝負となります。 また、レース全体がゆっくり流れるため、人間が歩いても追いつける程度のスピードで展開します。これもまた、ばんえい競馬のみどころです。 いかがでしたか?ほんの一部しか紹介できませんでしたが、ばんえい競馬の最大の魅力は「生で見ること」につきます。帯広に行くことがある際には、ぜひ帯広競馬場に立ち寄って、生でばんえい競馬を観戦してみてくださいね。原則として、毎週土曜・日曜・月曜に開催しています。 「ばんえい十勝」公式HP:http://banei-keiba.or.jp/見学・体験のお申し込みはこちら!
就労支援B型「ミライクチセ」ではいつでも見学・体験を受け付けております。まずはあなたの目で実際に確かめに来てください!スタッフ一同心よりお待ちしております!