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【映画感想】社畜必見?ぜひとも! ”七つの会議”を観てきた【ネタバレなし】

こんにちは、邦画に厳しい過激派イトウです。

前回のマスカレードホテルの記事の時も言いましたが僕は邦画は全く観ません。

(カメラを止めるなは面白かったけど)

役者が頑張っていてある程度の面白さは保証されていても、それを全てその他の要素がぶち壊して鑑賞後に何も残らない作品が多いからです。

僕はごり押しで売れてる何か勘違いした演技力0のアイドルや俳優(女優)のジメジメしたPVが見たいわけではなく、その作品のストーリーや世界観で楽しみたい。

「穏やかな心を持ちながらも邦画への怒りで目覚めた超(スーパー)文化人」

 

 

「チアキ~~七つの会議観に行こうよ~~池井戸潤だから楽しいよ! 香川照之出るし!!」

「【半沢直樹】も【陸王】も、去年やってた【下町ロケット】も面白かったろ~絶対七つの会議は面白いって!!」

「この三つのドラマで演出やってた【福澤克雄】が七つの会議でも監督やってるし、間違いない!!」

【福澤克雄監督】

 

「間違いない!」

「間違いない!!」

「しつけーな!つまらなかったら二度と邦画行かねーからな!!」

 

 

上田さんはうだつのあがらないようなサラリーマンが観てスカッとするようなドラマに何一つ共感できないということでお休みです。

 

あらすじ

テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を、野村萬斎主演で映画化。

中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。

トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下

部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。

そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。

坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。

八角役を自身初のサラリーマン役となる萬斎が演じ、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真

立川談春、北大路欣也といった池井戸ドラマ常連俳優が顔をそろえる。監督は「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」など

一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄。

映画.comより引用

 

 

感想本文

「間違っている」「こんな会社はおかしい」

あなたは社会人になって企業で会社員として働くようになりこんな思いをしたことはないだろうか?

昨年、SUBARUの燃費・排ガス・ブレーキ検査などのデータ書き換えにより53万台にものぼるリコールが起きた事件は記憶に新しく

神戸製鋼所によるアルミ製品のデータ改ざん、ばね用鋼材の強度改ざんによって三菱、川崎、IHI

そしてSUBARUがこのデータ改ざんが施された素材を使って製造された製品を販売していた。

さらに、畑は違うが電通による新入女性社員の過労死自殺事件などこういった企業犯罪は枚挙にいとまがない。

 

ちょっと例に挙げた事件が大きすぎて共感を得られないかもしれないが

あなたがその「間違っている」と思った会社の行いはもしかしたらそんな企業犯罪に結びつく可能性はないだろうか?

「考えすぎだよ、ウチとは関係ないことだ」

みんなが口を揃えてそういう。

しかし、この映画の物語は 【パワハラ】が起点となって動き出す。

鬼の営業部長として恐れられる北川(演:香川照之)と親会社である【ゼノックス】勤務の梨田(演:鹿賀丈史)

物語の舞台となる【東京建電】で行われる営業会議へ出席する。

梨田は過去に東京建電に在籍し現在のゼノックスに栄転した北川の元上司であるため気は抜けない。

北川はまるで軍隊のように営業部員達を恫喝し、理不尽なノルマを押し付け、売れない一因を説明しようとでもすれば

そんなものは関係ない!売って!売って!売って!売りまくれ!!」

と修正した売り上げノルマをこの場で言うよう求め、あまりの剣幕に語り部であり営業二課長の原島(演:及川光博)は相手の顔色を窺い

到底達成できないノルマを言ってしまい「お前が言ったんだからな?自分のことくらい責任持てよ」と冷たく北川は突き放す。

今にも吐きそうな緊張した面持ちからほっとした原島は、営業一課の発表に変わったことで座ろうとするが……「立ってろ!」

「お前たち二課がノルマ達成できてないから一課が尻ぬぐいさせられてるんだろう!?」

会議が終わるまで座ることすら許されないばかりか「おい原島、なんか一課に言うことがあるだろう?」と謝罪まで要求してくる北川部長。

そんな鬼が取り仕切る会議が静まると、ふといびきが聞こえてくる。

居眠り八角・・・!

彼が野村萬斎演じる主役:八角民夫係長である。

 

この会議のあとから彼が所属する営業一課の坂戸課長(演:片岡愛之助)の”あたり”が強くなり

意味のなさそうな大量のアナログファイルのデータ入力を翌日までにもとめられ

徐々にエスカレートしていき、ファイルの数は広辞苑並みの分厚さ、そして期日は今日中になどどんどん過酷なものへなっていく。

元はといえば八角はやる気のない社員で、最低限のノルマはこなすだけで定時には必ず帰り、残業はしない万年係長だ。

彼の素行が原因であり、居眠り事件はきっかけにしかすぎなかったのかもしれないが、板戸の中で何かが爆発したのかもしれない。

だがそんな状況にもどこ吹く風といった感じで、八角が有給休暇を申請したことで板戸課長は怒り心頭に達し・・・

「お前になんか生きている価値はない」と目の前で申請書を破り捨てる暴挙に出た。

八角は【パワハラだ】と訴えるのですが、【パワハラ】の言葉を出した途端

周囲の社員に「何言ってるんだ?」「今のがパワハラなわけがないだろ」「空気読めなさすぎ」

と散々に笑われてしまうのですが、彼は―――

「この落とし前はきっちりつけさせてもらうぜ」

と労働組合へ訴えます。

映画の予告にもある通り、これが冒頭となってここから様々な人がオムニバス形式のように

語り部が切り替わっていきその人が抱えた問題、疑問、ひいては企業の闇へと繋がっていくのですが全て”八角”がカギとなっています。

 

正義を語れ

 

さて、この冒頭に合った【パワハラ問題】あなたの目にはどううつりましたでしょうか?

ノルマが果たせないから悪い? 悪い奴には何をしてもいい?

ノルマは最低限果たしているからと言って会議中の居眠りは悪い?

忙しいのに定時退社する・残業せずに帰る・そんなタイミングにも関わらず有給取得なんてありえない?

 

しかし、映画としての狙いはこのシーンで【古い体質の”モーレツ”企業】であることを理解してもらうというところでしょう。

僕としてはこのシーンで「うわっ」とちょっと引いてしまいました。

まだこんなわかりやすいパワハラ体質な会社あるわけないだろ、と。

 

あなたはどうですか?

 

「こんなの普通じゃん、足引っ張った八角はクズだな」でしょうか?

それとも「ここまで酷くないけど、わかるな~」ですか?

ですが劇中では不可解なことが起こり、一躍“八角”は疑惑の渦中にある人になってしまうんです。

 

そうして社内でちょっとでもうまく立ち回ろうと、出世のために、人を蹴落とすために、さまざまな人が暗躍しはじめます。

 

みんな腹に一物を抱えた、クセのある人物で野望・欲望・自分の考えをもって動いています。

 

【東京建電】というたがが【ゼノックス】グループの子会社にしか過ぎない小さな会社の中で。

しかし、八角を調べていくうちに、知らぬ間に【東京建電】の根深い闇に近づいてしまい

わけもわからないまま僻地へ移転させられたりと散々な目にあってしまう人まで出るようになります。

そして事態は最悪の方向へ転がっていきつつも、隠ぺいとトカゲのしっぽきりは進んでいく。

 

その中で足掻きながら”正しい”ことをしたいと願って八角たちは奮闘します。

次々と明るみになっていく事態にたいしてついに【ゼノックス】社長、通称“御前様”が動く。

こんなことが明るみになっては社会は大混乱となり多額の損害賠償と社会的責任から会社は解体せざるを得なくなる。

そうなっては路頭に迷う社員が大勢出てしまう。

そんなことにはさせない、だから隠ぺいする、責任を押し付けてとかげのしっぽを切る。

だれも責任を取ろうとしない、思い通りにならねば恫喝して追い詰め、罵詈雑言を浴びせ「そういうものだ」と言い聞かせ働き続ける。

 

【東京建電】はフィクションだろうか?

あなたの会社とは全く関係ない映画の世界の出来事?

 

いや、その通りでしょう。

 

会社にいる限りそれが当たり前のことなんだから。

労働者としての権利の行使も自分だけ甘えたいクズがすること。

ノルマも果たせなかった出来損ないは叩かれて当たり前。

不正を暴露するなんて裏切り者のやること。

もしかしたら似たような光景はこの日本にあるのかもしれませんが、これはフィクションでしかありません。

ですが会社の外から見れば、それはフィクションのように現実感のないものに思えるかもしれません。

そしてこういうんです、“そんなにキツイなら辞めればいいのに”と。

この映画はその一言で全て片付いてしまうんです。

それでも社会的責任と義務感を背負い、汚泥にまみれた会社の中で正しくあろうと、奮闘する日本のサラリーマンの姿に観客は胸を打たれる。

それが池井戸潤作品の魅力なのではないでしょうか。

何故そんな「辞めればいいのに」という一言で片付く物語に惹かれてしまうのでしょうか?

それは共通認識として……我々日本人には【滅私奉公】という精神があります。

 

古くは殿様のため、幕府のため、お家の為に我々は自分を捨てて尽くしてきました。

しかしこれは、江戸時代や戦国時代だけのお話でしょうか?

 

大日本帝国では軍隊で「月月火水木金金」といって365日24時間休みなく訓練を行って”私”を捨てて”国家”のため働いておりました。

戦時下、だからでしょうか? 戦争という”過酷な事業”が生んだ労働体形だったのでしょうか?

 

戦後、その気風は完全になくなったのでしょうか? 

 

1914年から始まり1945年8月15日に終わった70年以上も遠い過去の話は、もはやファンタジーにしか感じられないかもしれませんが・・・

 

いいえ、なくなってはいません。

大日本帝国や明治政府や江戸幕府よりはるか昔から連綿と続くこの気風はいまだ我々日本人の中で生きています。

それが現状の日本社会を作り出しているのです。

ただそれが悪しきものであると一方的に断じていいものではなく、功罪相半ばするものだと思います。

 

「俺たちが戦後の物のない日本をここまで栄えさせてきたんだ」

「俺の若いころは戦後世代の人たちが激しくてな、こんなに甘くはなかった」

「なんでこんなこともできねえんだ、俺が若い時なんて休みもなく会社の為に働いて~~」

 

みなさんも上司や先輩からこんな言葉を聞いたことはないでしょうか。

我々、日本人には【滅私奉公】の精神がもはやDNAレベルで刻まれているのではないかと感じさせられます。

だからこそ過労死を容認し法を逸脱した行為をも容認するのです。

それに耐えきれなかった人間を「あいつが弱いだけ、できないだけだ」と会社という”村”で吐き捨てるのです。

もちろんそこまで頑張れるからこそ、日本人は250年以上もの江戸幕府による平和な時代を手に入れ

当時の人々の尽力のおかげで外国の植民地化を防いで開国し、欧米列強にも匹敵するアジア1の列強国となれたのです。

 

「最近の若い奴はすぐねをあげる」

そんな古い体質の黒を白という会社が蔓延する社会で、あなたの会社だけは”違う”と言い切れますでしょうか?

あなたの考えもまたその会社の色で染まってしまっているのではないでしょうか?

Twitter、SNSの発展により昨今、個人が情報発信できるようになりそのような企業に苦しめられている方が多く散見されます。

七つの会議は「『働く事』の正義とは?」というフレーズをポスターや宣伝によく使っていますが、絶対的な正義なんてものはないと思います。

 

企業犯罪によって今後も尊い人命や、多くの人々の人生が狂わされることもあるでしょう。

暴かれた不正がきっかけで無関係な社員までもが路頭に迷うこともあります。

大きく成長した企業であればあるほどその責任は重く、だからこそ不正は決してなくなることはありません。

 

よって『働く事の正義』なんかないと僕は思うのです、メリットとリスクを天秤にかけてより大きく傾いたほうを採用するだけ。

それが資本主義社会における行動原理なのではないでしょうか?

 

ですが、そんなことがわかりきっていても人間としてやらなきゃならない時というのはくるものです。

七つの会議の主役、ぐうたらしていてやる気のないさぼってばかりの”ぐうたら社員”八角は、やる時はやるというキャラクターでした。

彼が受け入れられるかどうか、好きか嫌いかでこの映画に対する評価は大きく変わってくるかと思います。

ですが、八角の最後の”長台詞”にこの作品のすべてが集約されているように僕は感じました。

オムニバス形式でスポットがあたるキャラクターがコロコロ変わっていくのですが、その移り変わりも全て

“八角”を起点として、ある一つの問題に焦点をあてるため、急に場面が変わって集中力が切れてしまうなんてことは起きず

むしろどんどん先が気になるような面白いストーリーの進み方をしていました。

そして役者陣の熱演が登場人物の気持ちをつぶさに表現していて、さらに観客を引き込んでくれます!

香川照之の冒頭の演技には圧巻させられましたし、中盤から終盤にかけての感情を押しとどめた表情や、爆発が見ていて楽しい。

極めて演技力がひくく浮いている役者が一人もおらず、会社内の雰囲気を巧みに演出されていてこんなオフィスありそうと思わせてくれました。

(偉い人の会議室とかはなんか特撮の悪の幹部の部屋みたいだったけど)

池井戸潤は、特にメッセージを作品に込めたりはしないそうです。

 

しかしエンターテイメントとして企業を題材にうまく物語に押し込んで、カタルシスを感受させるのが上手だと思っています。

他の池井戸作品にくらべて今回の七つの会議の映画は、少々後味が悪いというか、スカッとするところがすくないのですが

それでも、最後の八角のセリフには僕は様々なことを感じさせられ、考え込んでスクリーンを夢中でぼーっと眺めていました。

 

池井戸潤はメッセージは込めない、でもちりばめられた断片と、あなたの身近な存在である会社、ひいては日本社会という題材から

もしかしたらあなたもこの作品を観て何か感じ入るものがあれば幸いです。

 

総評

サイトニー:★★★★☆4

コメント:ドラマで観たい作品だった※とっくの昔にNHK土曜ドラマでドラマ化されてます

池井戸潤の映画化ということで、ちょっとスカっとはしないけど、池井戸潤の世界を二時間ほどでよくまとめたと思う。飽きなかった。

今後Amazonプライムで配信されたりDVD化されることで、インスタントに池井戸潤を楽しめるようになるだろうなっていう革命的作品。

 

イトウ:★★★★★5

コメント:社畜必見

 

 

野村萬斎演じる”八角”のキャラクター性がとっても好きでした。

みなさんも 【ぜひとも!】 ご鑑賞ください!!

七つの会議では感想を募集していてこんなキャンペーンがやっていますので、せひとも! #七つの会議CP をつけてつぶやこう!!

 

 

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